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終物語 第3話 そだちリドル其ノ弐 感想

アニメレビュー第7弾の続報『終物語』第3話そだちリドル其ノ弐です。
先週、気になっていた5年前の廃屋での出来事がついに明かされましたね。結局は、謎が謎を呼ぶ展開を迎えてしまい最後はもっとモヤモヤする羽目になってしまったのは残念というべきか僥倖なのか。さて、具体的に見ることにしましょう。
ka-rinchaco01.hatenablog.jp

そだちリドル其ノ弐

ショタ良木さんと勉強会

暦が中一時代に廃屋に通って勉強会をしていたという具体的な様子から始まるAパート。ショタ良木さんをそのまま神谷浩史さんが演じたことにちょっとビックリ。神谷さんのショタ役って聞いたことがなかったので、ひょっとしたら、別の声優さんが演じられるのでは?という可能性も多分にあると思っていました。実際に、神谷さんではちょっと無理があるような気がしないでもないですが、このシリーズの空気感を考えればこれが正解なんでしょう。


対する、廃屋の数学少女=育を演じた井上麻里奈さんは、高三の育とうってかわってかわいさ満点の仕上がり。境界のRINNEの真宮桜役の時もかわいかったですが、より幼い感じを出したおかげで、私の中では麻里奈さんが演じた役のNO1です。いかんせん、暦の一人語りの部分が多すぎて、センテンスが足りなかったのが非常に残念ですが。
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勉強会 3つの約束

廃屋での勉強会をするにあたって少女は暦に3つの条件を伝えます。

・勉強会の開催場所は廃屋の2階のこの部屋で行うこと
・この勉強会は二人だけの秘密にすること
・私(数学少女)の名前を聞かないこと。私の秘密を探らないこと

しかし、それ以外に何も求められなかったので、気が引けた暦がお菓子をもっていっても、数学少女は「見返りが欲しくてやっているんじゃないの」「数学をずっと愛してほしい」とやんわり断ります。
数学少女のこの様子を扇が「数学の妖精」と揶揄しますが言い得て妙ですね。この時の暦からしてみれば、数学を教えてもらうのがゲーム感覚で楽しくて楽しくてしょうがないといった感じでそんな風に感じるということもなかったんでしょうけど。

結果的にこの約束を暦はバカ正直に守り続けます。暦にしてみれば、勉強が面白かったので約束を守り続ける必要性があったし、ひょっとしたら持ち前の正義感で約束を破るということすらも全く考慮されていなかったのかもしれませんね。なにせ、すでにお菓子の差し入れもやんわりとではありましたが拒絶されているわけですしね。

空っぽの封筒と勉強会の終焉

この勉強会は空っぽの封筒だけを残して突如終わってしまいます。暦にとってこのことは相当にショックだと思います。夜になるまで待ち続けた描写がありますし、2学期に入ってから数学少女の正体を突き止めようと校内で聞き込みをしている姿からもそのこだわりが見えます。

結果的には、数学少女は見つからず、そのことに恐怖を感じて廃屋での思い出ごと忘却してしまうわけですが、その時に学習した数学のことだけは好きになり続け、成績ももとに戻り、阿良々木暦という人間性のベースの一つになっているということですね。
数学少女=育。だったわけですから、彼女が暦に対して、「自分が何出てきているかを知らない奴は嫌いだ」というのもうなずける話です。もっと言うと阿良々木暦が今でも数学を好きでい続けていて、例の学級会で問題になった数学のテストも暦が満点だったというのは皮肉以外何物でもないですね。

忍野扇というナビゲーター

Aパート後半からBパートにかけて、忍野扇は暦対して疑問の答えを次々と推理し言い当てていきます。要は真相は
・手紙はランダムに出したわけではなく、暦だけを狙ったものだった。
・暦が廃屋だと思っていたのは勘違い。育の家だった。
・このころの老倉家では、家庭内暴力が深刻で窓ガラスも割れていた。そのせいで暦は廃屋だと勘違いをした。
・育が突然消えたのは、家庭の問題がより深刻化し転校を余儀なくされた
・暦を勉強会に誘ったのは、暦の両親が警察官だったため助けが来ることを期待した
・しかし、暦は期待に応えることが出来ず、育は空っぽの封筒で期待外れだったことを暗示するメッセージを残した。

こんなところでしょうか。

それにしても、ずいぶんナビゲートが巧いですね。絶妙なタイミングで暦の記憶を揺さぶるように質問し、そこで引き出された暦の言葉から真相を推理する。「いいえ私は知りません。知っているのはあなたです」という決め台詞もだてではありませんね。しかし、それにしてはいささか知っていなければ暦を誘導することもかなわないのでは?と疑ってしまいそうになります。

意図的?に隠された疑問

その扇の推理も一か所だけ疑問点が残ります。扇との顛末を翌日に暦が羽川さんに伝えたとき、羽川さんは一つの疑問を呈しました
「阿良々木君のご両親が警察官であること老倉さんはどうやって知ったの?」「それは阿良々木君がひた隠しにしていることじゃなかったけ?」と。
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この疑問に扇は気づかなかったんでしょうか?それとも、あえて暦に伝えなかったのでしょうか?
ここは大きなポイントだと個人的には思っています。これまでの扇のナビゲート力や性格を考えると気付かなかったとはとてもじゃないけど考えにくい。やはり、暦にはあえて伝えなかったと。
だとするなら、扇の狙いはどこにあったのか。明確な答えが用意されていないので、あえて推測するなら”暦の疑問である老倉になぜそんなに憎まれているかの答えが出たので、あえて悩ますようなことは伝えなかった。”って言うところでしょうか。現状で推測するのはこれが手一杯ですね。

最後に

暦と扇の会話だけで大半の時間を過ごしてしまうという、物語シリーズ相変わらずの展開ですね。会話の一つ一つが練りに練られている作品なので一秒たりとも油断が出来ません。今回も一つ問題が解決したと思ったら、新たな謎が浮かんでくる。原作を読み込んだものとしては前回と言い今回といいスゴイところで引いていく。アニメスタッフによる尺の調整は絶妙ですね。

また、来週から暦は老倉育と対面しなければなりません。どのような展開を迎えるのか今からとても楽しみです。

最後に、他のブロガーさんたちの記事がこちら
b9life.hatenablog.com
chemi-mizuki.hatenablog.com
tentama315.hatenablog.com
てんたまさんの、ヒロインと家庭内不和の関連性の記事は面白い視点ですね。ここら辺は、私もどこかで考察に入れたいなぁなんて考えています。