アニメヲススメ

旧作から最新作まで気になったアニメを紹介したり、アニメに関連する話題を中心にしたブログです。

すべてがFになる 第5話 銀色の希望 感想 ~自由としがらみ。人生はしがらみでできている。

アニメレビュー第8弾は『すべてがFになる』の続報記事。第5章 銀色の希望 です。
※この先、ネタバレしていますのでご注意ください。

前回は、四季の部屋に突入するも誰かが潜んでいるわけでもなく若干の肩透かし感がありました。がしかし、「すべてがFになる」というタイトルも回収したことですし、充分な成果は上げられたんじゃないでしょうか。
ka-rinchaco01.hatenablog.jp

それを受けての第5話ですが、いきなりの朝チュンからのスタート!
完璧なスタートダッシュでしたね。
f:id:ka_rinchaco01:20151106170500j:plain
それでは、まずあらすじから。

あらすじ

新藤所長の事件を調査する過程で、新藤の妻・裕見子との会話から、十五年前の四季による両親殺害の詳細と、四季に複数の人格が存在していたことを知った犀川と萌絵。二人は解決の糸口を見つけるべく四季の思考をトレースしようとする。その過程で、萌絵は自身の両親の事故という過去と直面することとなる。

引用:アニメ「すべてがFになるTHE PERFECT INSIDER」公式サイトより
www.f-noitamina.com
だいたいはこのあらすじ通り、細かい点で補足したいことはありますがこの後のトピックスで触れたいと思います。

登場人物

久しぶりの登場人物のコーナー。今回は、四季の両親殺害の件をお話してくださった所長の妻・裕見子を紹介。

新藤裕見子 CV:小林さやか

新藤所長の妻。所長の訃報を聞いているはずなのに悲しむそぶりさえ見せないが、長年連れ添った夫婦とはいえ他人の目があるところでは気丈にふるまっている。と解釈すべきなのか。これまでの話を見ると夫婦仲がいいというわけではなく、むしろ表面上の夫婦関係に見えるので、この態度は当然だと思うべきかもしれませんね。

四季博士について語る様子を見ていると特別な負の感情を抱いているように見えず、本当に姪っ子としてかわいがっていたんだろうなぁと想像できる口調。夫と姪っ子の関係には薄々は感づいていたものの、さすがにあの頃から朝チュンまでしているとは思ってもみないと勝手に解釈することにします。
f:id:ka_rinchaco01:20151106170519j:plain
演じるのは吹き替えや舞台で活躍されている小林さやかさん。本当に吹き替えが主戦場の声優さんの起用が目立ちますね。
私の中では、海外ドラマ ホワイトカラーのバーク捜査官の妻 エリザベス・バーク役のイメージが強いです。他にも、ザ・ホワイトハウスのシーズン2に出てくる法律顧問のエインズリー・ヘイズ役など、明るく機転の利く大人の女性っていう感じの印象が強いので、今回の新藤裕見子も結構はまり役だと思います。
今後も、出番はそんなに多くないだろうけど、また登場してほしいキャラクターですね。

気になるトピック

萌絵と創平の意見の対立

今回の話は、萌絵と創平の掛け合いがほとんどで、これまではあまり見せてこなかった意見の対立が表面化します。
そもそも、萌絵と創平の思考の違いは第1話から現れていました。浮世離れはしているものの倫理観や道徳観は一般的でちょっと好奇心旺盛な女子大生の萌絵と、非常にリアリストでいながらも束縛を嫌い思考や思想はより自由であろうとする研究者の創平
これまでは、萌絵が創平のことをしたっていることを上手く利用して、創平が萌絵のアプローチをかわすことで関係が成り立っていたのに、萌絵が四季との面談を思い出し自分の両親と四季の両親殺しのケースを重ね合わして情緒不安定になったことで対立が表面化。
f:id:ka_rinchaco01:20151106170537j:plain
創平もいい年なんだからフォローに回るとか、自分が折れるとかすればいいのにって、私なら思ってしまうんですが、頑として自分の意見は曲げない。そして、最終的には突き放す。最後にほんのちょっとだけフォローを入れてましたけど、アレ完全にジゴロの手口ですから。惚れた女の弱みに付け込んでいますから。

まあ、創平は萌絵よりも私よりも一枚上手だったということですね。

自由としがらみ

冒頭の朝チュンシーンでの新藤と四季の会話。
自由への憧れを口にする新藤に対して、
四季「なぜそうなさらないの」
新藤「しがらみがあるからなぁ」「すべてを捨てるなんて僕にはできない」
四季「おじさま本人はここにいるのですから、すべてを失うわけではないわ」
新藤「でも、つまり、怖いのかな」「僕は凡人だから」
四季「そんなことは関係ないわ」(強い口調で)
  「ごめんなさい」
新藤「いや、僕が悪かった」

f:id:ka_rinchaco01:20151106170618j:plain
一般的には新藤の反応というか考え方は正しい、というか常識的ですよね。人は常に何かしらのしがらみというか関係性に束縛されて生きている。しかし、真賀田四季ほどの天才であればそんなことは些細なことなのかもしれません。

この会話に対になる形で、萌絵と創平の会話がBパートで交わされます。会話の詳細は取り上げません。っていうか、どのようにまとめたらいいかわからないぐらい会話が哲学だったので、自分の頭の悪さを痛感させられます。

ただ、ハッキリしているのは萌絵は創平に対し”束縛から逃れればいい。自分にはその環境が用意できる”と言いながらも、創平の唱える四季が両親を殺したのは自由になるためだという意見には反対した。
逆に、創平は”自由になりたいがしがらみがある”と発言しているのに、四季の思考に思いを馳せて”四季は純粋であり、最も人間性が豊かな形だ”という。
つまり、この両者の関係性は新藤と四季の関係性とねじれていると言えると思います。
f:id:ka_rinchaco01:20151106170702j:plain
今後、終盤に向かっていくうえで真賀田四季という人間を知ることが事件を解決するうえで必要不可欠だと思います。この両者の関係性は、真賀田四季の思考を理解するために萌絵と創平。二人の協力関係がなければ読み解くことが出来ないということの証と言えるのではないでしょうか。

一方、真賀田四季の回想では新藤の誕生日祝いとして古びたお店で買ったナイフをプレゼントします。「自由のための道具です。」という言葉を添えて、にっこりほほ笑むところに狂気を感じますね。
f:id:ka_rinchaco01:20151106170736j:plain
対する新藤の「自由。私は四季の言うその意味を悟り、恐怖と喜びで全身が震え上がるのを感じた」の発言も、四季の行動に負けじ劣らずといった感じ。先週の長い坂を転がり落ちるというのはこのシーンも含めてということでしょう。もっと言うならば、四季の両親殺害も新藤&四季の共犯ということもここからうかがい知ることが出来ますね。

最後に

朝チュンインパクトが強かったものの、事件については何の進展もなく、ビジュアル的にも派手なことの一つもない回でした。

しかし、四季の思考を推測するために、萌絵と創平の協力関係が不可欠ではないかと気付けたところは、自分なりにGJだったと思います。
次回は、HPを見る限り一度キャンプに戻るみたいですね。そこで、二人とも頭を冷やして真賀田四季の人物像に改めて迫る展開を期待しています。

他のブロガーさんたちの記事

私とは全く違う切り口。四季博士の人格たちについても説明があります。
b9life.hatenablog.com

アリカワさんの記事は紹介画像に萌絵の泣き顔をチョイスするセンスが素敵
http://www.arikawashuhei.com/entry/2015/11/06/033351www.arikawashuhei.com

第4話の記事ですが丁寧に書かれており、これぞ考察記事の見本のような記事。こんな風に記事を書けるようになりたい。
hisoka02.hatenablog.com