アニメヲススメ

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終物語 第6話 そだちロスト其ノ参 感想

前回は、老倉育のアパートに訪問しての直接対決。暦が知らなかった&わからなかった育の壮絶な過去が語られました。
逆に、育の母親の失踪の謎という新たな宿題を渡された格好になりましたが。

前回の感想記事はこちら
ka-rinchaco01.hatenablog.jp

今回もガッツリネタバレしているので閲覧注意です。

そだちロスト其ノ弐

さて、今回は注目ポイントがありすぎてどこから書いていいかわからなくなりますねw。
大まかに分けると、扇VS翼のリターンマッチと育の母親失踪事件の真相の二つに分けられるんじゃないでしょうか。本来なら時系列順に行きたいのですが、先にシンプルな失踪事件の方から言及していきましょう。

育の母親失踪事件の真相とは

実際に育から話を聞いた暦と羽川さんが考えあぐねているところに扇がきてあっさり解答を見つけてしまいました。その後、羽川さんも本気を出して自ら回答を見つけますが、暦はいっこうに答えが見えない様子。結局は、扇と羽川さんによる膨大なヒント攻撃によって真相にたどり着くわけですが、この辺の考察は後段に譲ることにします。

ことの真相は言ってみれば単純なこと。育の母親は生きる気力をなくして餓死。そのまま、腐っていって文字通りの蒸発をしてしまったということ。

ここに、”人ひとり亡くなっていたら臭いに我慢できないだろ。”とか、”虫が湧いて生活どころじゃないだろ”とか、”いくら肉は腐っていったとしても、白骨化して骨は残るだろ”とか、ツッコミたくなる衝動に駆られますが残念ながら、この作品の原作は本格ミステリーではなくライトノベル。そんなことは、この作品にとっては些末なコト。ツッコむ方が野暮ってもんですよ

この事件はどんな意味を持つのか

この終物語1話から6話までの老倉育に関する一連の出来事は何を意味するのか。

阿良々木暦は、高一の学級会でも、中一の勉強会でも、小学時代の育が預けられたことも、真相を見逃し結局は、老倉育が不幸になっていくこの一連の過程にいい意味で関わることが出来なかった。
むしろ彼女が不幸に転落していく間接的な加害者になっていたわけである。知らないうちに。

老倉育にとってはどうだったろうか、阿良々木家という普通の幸せな家庭を見せつけられ、中一の時に回りくどい方法で暦を頼ったが裏切られ、両親が離婚をした後に母親の餓死に気付かなかった。高校での暦との再会はより屈辱的な結果しか生まず、結局2年間引きこもることになった。

この二人、暦と育の共通点は大事なサインに気付かなかったということ。暦は育のサインに気付かず、育は母親の餓死に気付かなかった。
でも、本当に気付かなかったんだろうか、扇は育について「何かごまかしている」「何かに気付いていないふりをしている」と思っている。と指摘します。また、暦も育のことを「見て見ぬふりをしてきた」と告白していることから、気づいていながら気づかないふりをしていつの間にか知らないということになっている。ということなんでしょう。
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暦が事件の真相に気付いた後に、それでも育に伝えた決断は男らしかった。これまでのことも含めてきちんとけじめをつけようとする姿勢は、暦ならではと言えるのかもしれないけど、羽川さんですら伝えられないとビビったわけだから、この判断は結果論かもしれないけどGJだと思いましたよ。
結果的に育は新天地で普通の暮らしをするために旅立ち、暦は心のどこかに引っかかっていた問題を清算することが出来た。両者にとって苦い想いをしながらもwin-winな結果になったのは、この最悪な物語にとって救いになったんではないでしょうか。

扇VS翼 リターンマッチ

話しを戻します。羽川さんのおっぱいに負けて、老倉家訪問の同行を許されなかった扇はこの件をすごく根に持っているよう。暦を愚か者扱いをするのは、暦はもちろん見ている私でさえも慣れてきたので何とも思わないですが、羽川さんのことを煽りまくります。ちょっと尋常じゃないくらいに。
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対する羽川さんも、公園の水飲み場で頭を冷やしながら10秒で結論を出すとか、相変わらずの高スペックですね。案外、扇の指摘もまんざらじゃなくて髪の色を染めていたから全盛期ほどの力はなかったのかもしれませんけどね。
それにしても決め台詞になった「ゼロは数えなくていい」は格好良すぎます。どこかで応用したいくらい。(そんな機会が来るのか?)
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さて、この対決の見どころはやっぱり二人の思考回路の違いでしょう。羽川さんが扇に対して「まず思いついたのがこんな真相?」と結論を出した後に聞いています。扇の立場から見れば、直感で思いついたんだから仕方がないという他ありませんが、羽川さんから見れば考え方がおかしいとなるのかもしれません。
しかし、これが扇の言う通り羽川さんが家庭環境がボロボロだった全盛期のぶっ壊れスペックだったらどうでしょうか。案外、あっさり扇と同じ結論にすぐたどり着くかもしれませんね。もし、そうだとしたら扇の煽りは何ら間違ってないともいえるわけで、末恐ろしいですね。

忍野扇はいったい何者か?

この一連の育物語は幕を閉じたわけですが、育自信にも負けないぐらい存在感を発揮していた忍野扇。彼女はいったい何者だろうか。
そもそも、扇の登場は育が学校に復帰する直前のあの教室閉じ込められ事件からで、その後はまるで暦を誘導するがのごとく暦にその都度助言をしながら真相を引き出していきます。唯一ついていけなかったのは、育の家を訪問した時ぐらい。羽川さんに邪魔されたからだったのですが、その直後にまた現れたところを見ると待ち伏せしていたのかもしれませんね。

常に真相を見透かし、常に暦の行動の先回りをする。老倉家訪問の権利を羽川さんと争った時だって、暦をマインドコントロールしかけた描写もあったので意識して、関わろうとしていることは明白ですね。
作中の時系列でこの出来事以降も度々登場します。撫子の時間を盗んだり、神原の前に男の子として登場したり。もちろん暦の前にも登場して、物語の聞き手に周りながら愚か者呼ばわりをします。

この辺は、一回忍野扇の行動を整理して一本記事を書きたいところですね。

最後に

これで出番が終わってしまった老倉育。CVを担当した井上麻里奈さんもお疲れさまでした。すごい演技を見させてもらいました。わずか6話の間でしたがかなりの衝撃を受けましたね。
次回からは、また別のお話になりますね。老倉さんを追いかけるために記事を書いていたんですが、次回からどうしようかな?まあ、お話の内容いかんということにしておきますか。