アニメヲススメ

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GOSICK PINKの発売に合わせて、アニメGOSICKの感想を今更レビュー

GOSICK PINK 11月30日発売

桜庭一樹さんのライトノベル?(文芸小説?)GOSICK」シリーズの最新刊「GOSICK PINK」が本日(11月30日)発売になります。

GOSICKシリーズは、ソビュールというヨーロッパの架空の国を舞台にした作品群が長編・短編合わせて全9冊。
その後、アメリカに舞台を移してからの新大陸編の作品が既刊3作品あります。

今回のGOSICK PINK」はアメリカに舞台を移してからの作品ですね。
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そして、ソビュールを舞台にした第1部は2011年にアニメ化され、2クールにわたって放送されました。
今回は、このアニメ版の感想をレビューしようと思います。ただ、現在どれだけ需要があるかわかりませんが・・・。

アニメ版GOSICKについて

アニメのあらすじ

まずはアニメ版の概要とあらすじをざっと説明します。

時代は1920年代。ちょうど第1次世界大戦直後のヨーロッパにある架空に国が舞台。
日本からの留学生で同級生からは黒い死神と疎んじられる「久城一弥」と、学園にある巨大な図書館塔の最上階にある植物園で日々を暮らす金髪碧眼のまるで人形のような少女「ヴィクトリカ・ド・ブロワ」。この二人が主人公。

ヴィクトリカは頭脳明晰だが、素直になれない意地っ張りで甘えベタ。そして、ツンデレさん。しかし、ひとたび事件が起きれば一弥の持ってきた情報だけで事件を解決してしまう。いわゆる安楽椅子探偵。なので、めったに事件現場に赴くことはありません。
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対する一弥は、わがままなヴィクトリカの面倒を見つつも、ヴィクトリカのために事件に関するいろいろな情報収集を買って出るまじめな日本男児といった感じ。
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この二人がいろいろな謎に導かれるかのように巻き込まれていき、それはいつの間にか国家や世界を揺るがす事態になります。

ここまでがざっとしたあらすじ。
ここからは、アニメの感想になりますのでネタバレもあります。ご注意ください。

感想

序盤は時代背景を近代に舞台をヨーロッパの架空の国に設定した単純な推理物だと思っていましたが全く違ったようです。途中からラブミステリーに変化し、最終的には純愛ものになります。

確かに推理物としては開示されていない情報を使って推理する部分が多々あり本格的なミステリーというよりは、ヒロインのヴィクトリカが推理をする過程を楽しむ作品だと思っていました。しかし、序盤から小出しにしてきた伏線が後半に進むにつれ徐々に明かされ、終盤は怒涛の勢いで伏線を回収していく様は圧巻です。そういった意味でも楽しく見ることが出来ました。

・ヒロイン ヴィクトリカについて

金髪でツンデレなちびっ子探偵です。母親譲りの才能のおかげで頭脳明晰で、手がかりを「カオスの欠片」と呼び彼女のあふれる「知恵の泉」を使って再構成することで謎を解きます。
ただ、いかんせん説明不足で、このままでは久城だけでなく見ている私たちにもさっぱり伝わってこないため彼女に言語化してもらわないと真相が全くわかりません。

日ごろから差別されている「名もなき村」の灰色狼であった母親の血をひくため、実の父と兄に蔑まれています。
ただ、気になるのはそこまで頭脳明晰であったのならばこの状況を打破できたのではとも思ってしまいました。ブロア侯爵自体もオカルト省を仕切る、相当切れるタイプの人間で人心掌握術にもたけていたためヴィクトリカが反旗を翻さないよう幾重ものガードをかけていたということも考えられますね。
普通の家庭で育ったらどんな娘さんになんていたんでしょうね。

・戦争の時期について

時代背景が1つ目の大きな戦争と2つ目の大きな戦争の間ということで、史実でいえば2つの世界大戦に挟まれている時代と理解できます。ただ、2つ目の戦争の時期がわたしたちでいうところの第2次世界大戦より10年以上も早く勃発しています。

これは私の想像ですが、史実より早まったのはブロア侯爵の暗躍によるものだと思います。彼が先の大戦でコルデリアを、2つ目の大戦でヴィクトリカを利用して自分に有利に働くよう操作したことが原因でしょう。コルデリアがどのような活躍を見せたかわかりませんが、ヴィクトリカが他国の動きを予測しそれをブロア侯爵の部下たちに伝えている姿は描写されていますね。

・キャスティングについて

ヴィクトリカはCV悠木碧さん。一弥はCV江口拓也さん。2011年といえば悠木さんはまどマギの大ヒット直後ですね。
この二人のコンビといえば、この後再び共演することになった「やはり俺の青春ラブコメは間違っている」での比企谷兄妹のイメージが強いですね。これは、私自身が先に俺ガイルを視聴していたからなんでしょうけどね。

悠木さんのヴィクトリカは彼女にしてはちょっとトーンが低い。普段からかわいい感じの女子を演じることが多い悠木さんですが、キャラによってはチョットあざとすぎることもあるので、このくらいがちょうどいい。
そして寂しくなって一弥にちょっとだけ見せるデレがものすごく可愛く演じられていますね。絶妙なキャスティング。

対する一弥役の江口さん。江口さんも一弥から、今年放送された「俺物語」の剛田猛男まで役幅が広いですよね。男性声優って同じ声質で役幅の広い人は多いですが、声のトーンもまるで違っていてビックリ。
一弥は上手に立ち回ることが出来ないヴィクトリカに対して一貫して守ろうとします。後半に行くにつれて徐々に男らしさを増してくるわけですが、江口さんの演技は、ナチュラルな一弥の爽やかな感じとヴィクトリカを守るための男らしさが上手く表現されているように感じました。
時折、図書館塔を登って息が切れる演技の時に素というか、ラジオなどで見せる江口拓也がちょっと見え隠れしている感じも悪くないですw。

最後に

GOSICKシリーズは冒頭に書いた通り、舞台をアメリカに移して原作は年1回のペースで刊行されています。
そして、新刊ラジオというサイトで新刊に合わせたショートストリーのラジオドラマを悠木さん江口さん出演で番組内で披露されています。私も今回初めて知ったのですが、過去の巻も同様の形で配信されているみたいなのであとで聞いてみたいと思います。
www.sinkan.jp

これまでのGOSICKシリーズで新大陸編はこちら