アニメヲススメ

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2012年アニメ 氷菓 感想~京アニが誇るミステリー作品を語ろう。

今回は2012年に放送されたアニメ『氷菓』を特集。

私の中で、京アニ作品でかなり好きな部類に入る作品です。

氷菓日常の謎をテーマにしたミステリー

ちょっと田舎の高校を舞台にした推理物です。といっても殺人事件とかではなくいわゆる日常の謎をテーマにした作品になります。

この「日常の謎」っていうジャンルは推理小説としてはメジャーなジャンルの一つだと思うのですが、あまりドラマ化やアニメ化されないイメージがあります。

特にアニメでは非日常でありえないような表現を得意としているという特性上、人死にが出ずに大がかりな仕掛けをうつのが難しいこのジャンルは敬遠されることは当然の成り行きだと思います。

実際、これまでのミステリーアニメはマンガ原作のモノが多く。コナンや、金田一といった殺人事件を扱う作品が主流派であることは間違いありません。

メインキャラクター造形の上手さ

そんな中この氷菓と作品は非常に面白く見応えのある作品だったと思います。

キャラクターも主人公の折木奉太郎がこの作品における探偵役を務めるわけですが、ちょっと観察眼に優れ洞察力のある高校生といった感じです。

ヒロインの千反田えるは旧家の豪農の娘でなんでもすぐ気になってしまう好奇心旺盛な女子高校生です。二人とも現実離れしているわけではなく、ひょっとしたらそこらへんにいそうな感じなんですが、キャラは立っているという設定が秀逸ですね。

主人公とヒロインの脇を固める摩耶香と里志もごくごく普通の高校生。こういった普通っぽさが日常の謎を盛り上げてくれます。

物語のカギを握るゲストキャラクター

ここまでは、メインキャラの話をしてきましたが、実は、この作品の肝は個性的なゲストキャラクターたちにあると思います。

度々登場しては、多くの謎を残していく奉太郎の姉の折木供恵。彼女は口元からしたのショットと、後ろ姿しか登場しません。しかし、物語の核心で一枚も二枚も噛んできます。

他にも、胡散臭い壁新聞の部長の遠垣外先輩や、古典部と何かと縁のある入須先輩。神社の娘で学校祭では占いをしていた十文字かほ。

色々な登場人物が、シリーズを横断して物語に登場するさまが、この作品に深みを与えていると思います。

典型的なメインキャラクターの造形と、それに深みを出すゲストキャラクター。ここら辺の担当分けがしっかりしているので、見ていて登場人物を混乱することが少なかったです。

ストーリー。私が好きだったのは愚者のエンドロール

肝心の事件は3~5話にまたがるちょっと複雑かつ長めな謎と、そのインターバルに1~2話で終わる短め謎が挟まるといった構成になっています。

ちまたでは「十文字事件」という学園祭の期間中を描いた部分が人気あるみたいですが私としては自主映画のエンディングを考えることになる「愚者のエンドロール」が好きです。

酔っぱらうえるがかわいいとか、自主映画の内容が下らなくて好きとかいろいろありますが、結論がしっくりきたというのが一番ですね。えるの「人のなくなるお話は好きじゃないんです」というのがえるらしいし、この作品を象徴していると思います。

最後に

原作のストックがあまりないので2期の制作は絶望的かもしれませんがOVAなら可能性はあると思います。是非とも続編を希望します。


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