アニメヲススメ

旧作から最新作まで気になったアニメを紹介したり、アニメに関連する話題を中心にしたブログです。

サザエさん東芝スポンサー降板問題にみる、アニメと社会学について

皆さんご無沙汰しております。

約1年ぶりの記事になりますでしょうか。

まず、過去の読者の方に簡単な近況をご報告してから、記事の本題に入りますので、序盤は読み飛ばしていただいて結構です。


近況
 ・仕事が忙しすぎてブログを書く時間が取れませんでした。
 ・なんやかんやで、結局仕事辞めました。
 ・若干の浪人生活を経て、11月16日から新しい会社で働くことが決まりました。
 ・ブログは書きたい記事があっても、なかなか筆が進みませんでした。
 ・結局は、安く飲める飲み屋に入り浸っていたので時間がないというのが真実ですw。

ってな感じです。

詳しくは、個別に確認してください。

さて、ここからが本題になります。

久々のアニメ記事のテーマはサザエさん

今回取り上げるのは、サザエさん
言わずもがなの国民的アニメですね。

サザエさん東芝降板で大ピンチ?

今回このサザエさんのメインスポンサーの東芝が降板するかもっていう報道が流れ、大ピンチというわけです。

https://this.kiji.is/298139658070541409?c=39546741839462401this.kiji.is

実際には、東芝が広告代理店に降板を申し入れたということなので、電通がまた、新しいスポンサーを引っ張ってくればサザエさんの存続自体は問題がないようですし、東芝としても後継スポンサーが見つかるまでは頑張るつもりでいるようなニュアンスをこの記事からは感じられます。

東芝も昨今キビシイ状況にありますから、合理的な判断と言わざるを得ないでしょうね。

そんな中、巷ではあの高須クリニックが名乗りを上げたなんて言う話もあり、ちょっとした祭りだったみたいですね。

http://news.nicovideo.jp/watch/nw3051452news.nicovideo.jp

まあ、この程度のことだったら私が記事を書かなくてもって思っていたんですが、スマートニュースを見ていたら、こんな楽しい記事に出合いました。

サザエさんを打ち切りにすべき?

www.j-cast.com

サザエさんを打ち切りにすべきっていう声が上がっても別に何の驚きもしないのですが、その論拠となっている主張がなんともガバガバすぎて、笑いをこらえながら記事を読ませていただきましたよ。

元をただせば、前半は常見陽平氏のブログからの引用。この手の批判記事のありがちなパターン。
記者の自らの意見を公開せずに、識者のコメント、ブログ記事などから引用するいかにも手抜きなせこい記事ですね。

今回、私が異議を唱えたいのは常見氏ご本人というよりも、このガバガバ記事を書いた記者に対してなので、あえて、この記事から文章を引用します。

「ここは番組打ち切りという手もあるのではないだろうか」。常見氏は1日夜、ブログにそう書いた。「家族の枠組みが変わりつつある中、昭和の憧憬時代劇を流されても困るのである」「世間とずれた『サザエさん』」「今後の社会、会社、家族を問い直す意味でも」といった言葉が並ぶことから、家族・社会像などの点で劇中と現実との間に強いギャップを感じているようだ。

常見氏のブログからセンセーショナルな部分だけど抜き書きして自分の記事にしていく記者。
でも、このあたりのこととはある意味周知の事実であり、サザエさんが時代設定と徐々に合わなくなっていることぐらい、サザエさんを見ていればいくらでも書けることではないでしょうか。

憂鬱な日曜はサザエさんだけのせいではない

また「国民を明日、会社や学校に行きたくなくさせるあの破壊力はいかがなものか」とも記述。「日曜日終了」の代名詞たる「サザエさん」を見て生じる憂うつな気分は、「サザエさん症候群」の俗称でも知られる。

これ、別にサザエさんだけに限らないと思うんですけど。
ここら辺は常見氏のもとのブログを読んでもわからなかった部分で、

幼い頃から『サザエさん』が嫌いだった。あの面白さは全く理解できない。

と言ってながら、社会や学校に行きたくなくさせるあの破壊力って、サザエさんを見ているとしか思えない。

そもそも、日曜の夕方は次の日の学校・会社を連想するとすでに憂鬱で、私的には、笑点を見ても、まる子を見ても、サザエさんを見ても、鉄腕DASHを見ても、いってQをみても憂鬱な気分は、あまり差異がないわけでサザエさんにすべての憂鬱の責任を取らされてもかわいそうなだけである。

労働の専門家が語るサザエさん

また、その後は女性の働き方への問題に移っていく

「教育上よくないと思うからです。自立した女性像が描かれていない」としていた。労働社会学が専門の常見氏。「女性が働くのは『働かざるをえない』という側面をもつ場合もあります」といい、作中で現代に即した女性像を描くとすれば設定を見直す必要があるとの考えだ。

労働社会学の専門家たる常見氏がこの作品を見ればこのような視点から、こういうような意見を述べられることは全く当然の帰結であるが、社会学的に問題があるから、アニメの設定を見直すというの話は、私は聞いたことがない。

この後、記事では、おそ松さんのようにリメイクをすればいいという主張に移るわけですが、別にあのおそ松さん社会学的に当時の設定が通用しなくなったからこのようなリメイクをされたわけではなくて、かなりの時を経たのちに単純に赤塚先生のイズムを残しつつ現代に通用するようアレンジしたことが受けていると思います。

急にサザエさんをアレンジします。って、言っても高須クリニックがスポンサーになったら大喜利で出ている内容と大して変わりがないと思います。

そもそも、サザエさんを見ていて、サザエさんみたいになりたい!という価値観を持つ女性の方がまれだと思うのは気のせいでしょうか。

国民的アニメといえども学問左右される必要なし

私としては、すでに世界観が固まっていて多くのファンがいる作品を、誰だスポンサーになったかや、そもそものスポンサーの有無。ましては、社会学的に価値観がおかしいからって、打ち切りを望んだり、リメークを望むのはおかしいと思っています。

サザエさんっていろいろな試練を乗り越えてここまで来ています。原作者長谷川町子先生が亡くなられたこと。相次ぐベテラン声優陣の交代。アニメ技法の変化。実際にサザエさんが終わるときって、今以上の社会の変化が起きて、少しずつ視聴者が減ってきて、スポンサーのなり手がいない状況になって初めて打ち切られるべき。それが全日帯アニメの正しい末路ではないかと思います。

最後に、アニメはいろいろなジャンル、いろいろな意図をもって作られています。もちろんその中には、学者先生が賛同できる作品もあることでしょう。
でも、すでに既存のアニメ作品でファンがついているものに対して、社会学的におかしいといちゃもんつけるのはやめませんか。それこそ、不毛な対立と反感を生むだけに過ぎないのだから

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