2014アニメ グラスリップ 感想~今だから語りたい、この作品はあの夏の幻だったのか?
今回取り上げたいのは、2014アニメ グラスリップ。
放映中から酷評を浴びていた本作
2014年夏アニメで一番の問題作とも言われていたこの作品。
当時の状況で言えば、P.A.WORKSのオリジナルアニメということで2013年秋から2クールにわたって放送された「凪のあすから」の評価が高く、この作品にも大きく期待が集まっていました。
しかし、本放送が始まってみれば内容の不可解さ(難解さ)が指摘され、放送直後はかなり酷評を集めていましたね。
当時、実際にこのあにこれのサイトでも、レビューをした人数、棚に入れた人数は同クールTV放送アニメでは10位以内に入っているのに評価の部分では50番台という結果から、視聴人数は多いが全く評価されていないということがわかる。
評価が散々だけど、楽しく見ていた
このように、世間の評価は散々でしたが、私はこの作品が好きです。
確かに登場人物のせりふ回しが意味不明だったり、止め演出の多用が意味不明だったり、回収していない伏線が山積みだったり、唐突な当たり前の孤独*1だったり突っ込みどころは満載だったと思う。
しかし、作画はきれいだったし、キャラデザは気に入っているし、声優は主人公の子が下手だったという方もありましたが、むしろ、私は逆にこの作品の味になっているとおもいました。
さらに、脇を固めるキャラクターには若手の中でも特に実力のある声優がキャスティングされていたと思いますよ。
なにより、酷評される原因の中枢となっているわかりにくいストーリーだって、普段私たちが生活している現実はきれいなストーリーになっているわけではなく、ごちゃごちゃした日常の積み重ねでできている。
これを体現したのがこの作品だったのではないかと思います。
主に、そういったところが、この作品の持つ雰囲気が私が好きな理由であります。
じゃあ、この作品をお薦めできるかというと・・・
不幸なことは「凪あす」的なものを期待していた層。もっと言うと、深夜アニメを見ている層には全く受け入れられなかったことである。
作品のテーマから見ても小劇場での舞台や、単館系の実写映画などサブカル色の強い媒体ならもっと評価が高かったのではないかと思うととても残念に思う。
ただ、私自身はアニメでなければこの作品には出会えなかったのでそういった意味から見ても好きなアニメに含めたいですね。
では、この作品を薦めるか?と、問われるとそれは躊躇してしまいます。
会わなかったという人たちの気持ちがわかるからです。
その気持ちがわかる以上、他人にはおすすめ出来ないですねぇ。
むしろ、すでにこの作品を視聴済みで、好きだと言える人と出会いたいという気持ちの方が強いかもです。
*1:劇中に何度がそういうセリフが出てきます