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終物語 第2話 そだちリドル其ノ壹 感想

アニメレビュー第7弾の続報『終物語』第2話そだちリドル其ノ壹です。
待ち遠しかったこの一週間。原作を読んでいてストーリーは知っているモノのどういう映像表現がなされるのかが気になってしまって。この物語シリーズは、他のアニメ化作品よりもずっと原作に忠実に作っている印象がありますからね。そんなこんなで早速レビューを・・・。f:id:ka_rinchaco01:20151014103932j:plain

終物語』そだちリドル 其ノ壹

何故か一緒にいる暦と扇

暦、というかその章の語り部による一人語りが多いこの作品では、アバンに限らず作品の半分を一人語りで占めることも多々あります。この話も例外なく阿良々木君の一人語りでスタートし老倉育(CV:井上麻里奈)の歌うオープニングへ・・・。オープニングの感想は後ほど。

CM明け、なぜか一緒にいる暦と扇。しかも、目的地は暦の出身中学で暦がつかっていた下駄箱へ。全く謎の行動ですがその説明はしてくれるとのこと。
前回記事では扇について私は、

素性が全く見えず、ある意味このシリーズで一番不気味なキャラクターだと思います。普段の言動も慇懃無礼で何かにつけては阿良々木さんを愚か者呼ばわりしますし。

終物語 第1話 おうぎフォーミュラ 感想 - アニメについて考えるブログ

とまあ、ボロカスに言っていますねw。
これまでのシリーズにおいて扇という存在は、暦にとって怪異譚を聞かせる相手だったわけで、扇の方から能動的に暦に絡むというのは今回が初めてではないでしょうか。逆に、暦に絡まないところでは暗躍していることをにおわしている表現はこれまでも出ていました。
それにしても暦と扇の組み合わせは暦にとって精神的にきついんではないかと心配になってしまいます。いつもはどんなヒロインたちにもひょうひょうとツッコミを入れることで成り立っているのですが、扇の場合はうまくかみ合ってないというか、時々強引に話を引っ張られる感覚があって。こういうところが不吉で不快に感じるのかもしれません。

廃屋のイメージが違ったBパート
その後、暦と育の再開エピソードを挟み、Bパートに入ったところで再び暦の卒業した中学校に舞台を戻します。
扇が下駄箱に入っていた暦あての手紙を発見。→ 暦がその手紙の中身を言い当て、その地図に従って移動。→ 地図に書いてあった廃屋に到着→ 暦がそこで中一時代に女の子とあっていたことを告白。
あらすじとしては、こんなところでしょうか。
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扇の誘導尋問がさらに激しくなります。暦が頑なに自分の両親が警察官であるということを黙っていたのはこれまでのシリーズからわかります。なんたって、あの羽川さんだってファイヤーシスターズに教えてもらうまで知らなかったぐらいですから。それを、こうもまあうっかり口を滑らせてしまうところに扇の尋問官としての素質が垣間見えます。

原作組から言わせてもらうと、この回は伏線回ですね。このシリーズの伏線回は得てして話が進まないとか、会話が多すぎるとか散々な言われ方をすることが多いのですが、結構重要回だと私は思います。あんまり、言及して「ネタバレのし過ぎだ金を払え」って買木さんに言われたくはないのでこの辺にしておきます。

あと、暦と扇が訪れた廃屋ですが、てっきりこじんまりとした日本家屋だと思っていました。イメージとしては昭和40年代の建物で、1階が4DKで2回に上る階段が居間についていて、2回はちゃぶ台のおいてある部屋が1室のみ。こんな家屋を想像していたんですけどね。
洋館だとは思いませんでした。それも思ったより立派なたたずまい。日本家屋にイメージを引っ張られたのは「ちゃぶ台」のせいですよね。
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ちゃぶ台といえば古くは「巨人の星」や「天才バカボン」。今でも、「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」も出てくる、昭和を代表する家族団らんのマストアイテム。そんなものが洋館にあるとは想像だにしませんでした。シャフト恐るべし。

遡ってAパート。暦と育の再開

羽川さんの優秀さが垣間見えるエピソードでした。育と暦の因縁を理解したうえで、育の質問には当たり障りのないことを答え、暦には適切なアドバイスを送る。あんな大参事になったのは暦が羽川さんのアドバイスをちゃんと聞かなかったからに違いありません。

暦にしたら、前日の扇との一件で2年前の学級会を思い出していたことがこの自信過剰な選択につながったんでしょうね。そうでなければ、不意打ちのように育の登校を知らされていたわけで、状況を飲み込むまで一旦教室に乗り込むのを自重したと思います。そう考えると、扇に半ば強制的に学級会の記憶を掘り起こされたことが、ボディーブローのように効いています。

そして、教室内での育と暦のやり取り。これまでも、暦の無神経さが事態を悪化させたことは撫子絡みのエピソードで明らかになっていますが、この一件も暦は無自覚にそのパターンにはまり込んでいきます。
暦にとっては、前日の件で後味を感じながらも鉄条が犯人だと再認識してちょっとスッキリしちゃっています。対する育は鉄条が学校から消えるのを待って、学級会以来の初登校。この2年間、想いはおりのように重なり、長い間、負の感情にまとわりつかれていたことは想像に難くありません。そんな中、暦の当たり障りのない社交辞令が育にとっての逆鱗に触れたことは間違いないでしょう。
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とはいえ、暦にとっても育のキレ方は尋常じゃなく全く会話にならないわけで、本来ならこの時点でストップをかけ、お互い(特に育)を冷静にさせることが必要。しかしついに、育が暦に対してペンで手を刺すという暴力行為に出てしまう。どうして、この作品のヒロインたちは文房具を安易に武器として使用したがるのか。と、思っていたら初代文房具を武器にする女、戦場ヶ原ひたぎが登場。
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その後、育とひたぎで口論→ 育、ひたぎに平手打ち→ ひたぎ、育に反撃のぐーぱん。育KO。→ ひたぎ、状況説明回避のために気絶。と、まあこんな感じです。

育の苛烈さにビビる

正直、思った以上の苛烈さでした。よく考えていたら、育のCV:井上麻里奈さんのこれまで演じてこられた苛烈なキャラって、夜空*2にしてもラウラ*3や夏野霧姫*4もどこかでデレる。むしろ、ツンもデレもどちらもかわいい。って感じですが、ここまで見た感じではデレるどころかツンも恐怖しか感じずかわいい要素はツインテールだけです。

感情を精いっぱい押し殺しながら、暦と会話するわけですが、それでも言葉の端々から漏れてしまう暦への怨嗟は止めようがありません。ここまで精神的に不安定なら、本来なら病院で治療するのが一番だとは思うんですけどね。この時点では彼女の事情によく分からない点が多すぎますから。先ほどの項目でも触れましたが、暦にも問題があるわけですから一方的に育を責めないでほしいなと思います。

でも、麻里奈さんの演技には感服です。もともと、ツンデレキャラに多くアテレコしていたイメージが強かったのですが、最近の麻里奈さんってショタ少年役が多いうえに、境界のRINNEの真宮桜はおっとりしっかり系ヒロインだったので、ここまで感情的に激しい演技は想像以上でした。ここら辺のアフレコの裏話とかどっかで聞いてみたいですね。その位の迫力でした。

老倉育の歌うOP「mathemagics」

マスマジックスといえば10年ほど前、深夜の通販番組テレコンワールドでアーサーベンジャミン教授が開発したという暗算教材を思い出します。最近は通販番組といえばショップチャンネルQVCが主流になってきて、あまり見かけることの少なくなった海外発の通販番組も、あの当時は全盛でしたね。私は、マスマジックスも好きでしたが、ジーターのバッティング練習の道具やアブトロニックという電気で腹筋を鍛えるやつのCMが好きでした。
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さて、本題に戻ります。
前話の扇のOP

も良かったですが、こっちもまた違った意味で魅力的。各ヒロインが歌うことが定番となっているこのシリーズ。ヒロインとシンクロしているのはもちろんですが割と明るめな曲が多い印象ですが、不穏な気配を十分に感じさせる楽曲になっていますね。メロディから育の苛烈さが十分伝わってきます。

OP映像は鏡を使った演出を多用し最後には万華鏡を覗いているのかという感じ。雰囲気は充分伝わってきます。イメージとしては、偽物語の時の白金ディスコの演出が思い出されますが、あっちよりもよりシャープで洗練された感じに見えますね。
引っかかった点は、サビの直前、中盤の耳元で何かをささやいている演出。徐々にカメラが引き、育が暦になにかをささやいていたことがわかるわけですが、この時なんて言っているんでしょうね。推理するには、現時点ではちょっとヒントが足りないような気がしますね~。でも、気になる。

最後に

なんだかんだ、結構なボリュームになってしまいました。私としては育の魅力をたっぷりと語りたかったんですが、この話ではいいところがはっきり言って皆無ですからね。それに、しゃしゃってくる扇にも触れたい点が多すぎたので、扇についても字数を割いてしまいました。
何はともあれ、面白さが増してくるのはこれからだと思います。次話も期待です。

ちなみに、終物語について書かれた他のブロガーさんの記事です。
b9life.hatenablog.com
seagull.hateblo.jp
http://youkenwoiouka.hatenablog.com/entry/2015/10/14/192620youkenwoiouka.hatenablog.com