アニメヲススメ

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2013アニメ『勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。』感想~エロとファンタジーを装った社会派アニメの傑作

ラノベ原作のアニメ。

ただのおっぱいアニメだと思ったファーストインプレッション

第1話見たときはただのエロ萌えアニメだと思ったのですがどうやら違ったようです。

確かに、おっぱいの躍動感、エロシーンの多さ、肌の質感などエロを重視した作品であることは間違えないです。

しかし、それだけではない魅力がこの作品にはあります。

意外と社会派な設定が続々登場

魔王が倒され勇者が不要になった世界で、勇者を目指していた主人公ラウルは失業しマジックショップレオン王都店に就職という別の道を歩むことを余儀なくされます。

かつてのラウルの仲間たちはラウルと同じように不本意な仕事に就職しプライドが傷つけられ続けるもの、勇者になることをあきらめられずに魔王の手先と組むなど目的と手段をはき違えるものなど様々です。

この姿は、パラダイムシフトや規制改革などで仕事を失うこともある現代社会にもあい通じているテーマであり、深く考えさせてくれる内容になっています。

魔王側にも魔王側の理屈がある

勇者側にも勇者側の論理があるように、魔族にも魔王が倒されたために魔王の娘フィノもまた、ラウルと同じようにレオン王都店に面接に来ることになります。

フィノはラウルと違って魔界では箱入り娘だったのか地上の生活様式を全く知らないみたいです。

なんだか、カルチャーショックに悩む留学生みたいなんですが、その間違え方が店の前に毒の沼を作ったり、「よくぞレジまでたどり着いたなお客様」とあいさつしてみたりと、RPGにどっぷりとつかってきたゲーム好きには堪らなく面白いです。

世界観の設定も面白い!!

世界観の設定もこの作品は素晴らしいものがあります。例えばマジックショップは我々の社会でのいわゆる家電量販店で、冷蔵庫やテレビなどは電気ではなく魔力で動くとされています。

また、レオン王都店の横にはローソンがあったりライバル店がヤマダ電機ならぬアマダ電機というような現代社会を物語に合わせてほど良く改変しているところなんかも、一から世界観を想像するよりのめりこみやすくできていると思いました。

ストーリー展開は前半のフィノがレオンに就職し地上の生活に慣れていく様子や大手量販店のアマダ電機と、地域密着型のレオンとの差別化されているところなどはうまく描かれていると思います。

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ただ、後半のシリアス展開は少し強引で伏線も上手くはれていない部分もあって、ちょっとご都合主義なきらいはあるかもしれませんが、全体からみても問題のないレベルだと思います。

最後に

全体を通して粗削りで、細部にわたって緻密に作られた作品とは言えないかもしれません。

しかし、これまで上げてきた作品の世界観や描こうとしているテーマは他のエロ重視アニメよりよっぽど出来が良くて、すでに評価の高い有名アニメにも引けをとらないと思います。

むしろ、この作品は下手にエロに走らないほうがもっと評価されたのかもしれません。

ただ、エロあっての勇しぶなので、これはこれでよかったと私は考えます。

多くの人に見てほしいと思っていますが、特にドラクエなどの王道RPG好きな人なら世界観にもすんなりなれると思いますのでぜひ見てほしい作品です。

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