アニメヲススメ

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2007アニメ ひぐらしのなく頃に解 感想~1期から通してみてほしい、とても人間味のあるドラマティックな作品

昨日に引き続いて、今日は昨日のブログで紹介した「ひぐらしになく頃に」の続編。ひぐらしのなく頃に解です。

作画のクオリティが上がってグロシーンが極力抑えられた印象です。

実際梨花の惨殺シーンを比べてみると顕著にわかると思います。

とはいってもこの第2期では第1期に比べて殺人描写自体が減っているので大きな影響はないと思います。

第1期が全6編で構成されていたのに対して、第2期はプロローグ1話とアニメオリジナルの厄醒し編と、皆殺し編祭囃し編の全3編で構成されています。

各章紹介

オープニングエピソード『サイカイ』


最初のプロローグエピソード「サイカイ」では雛見沢大災害から20年後の世界が描かれています。

赤坂から語られる鷹野が残したスクラップ帳の話や 状況的には罪滅し編の20年後と考えるのが妥当だと思います。

ここで語られる内容は第1期の振り返りということではなく、残された謎の整理というプロローグにふさわしい内容だと思います。

厄醒し編

プロローグに続き、この厄醒し編もアニメオリジナルエピソードです。

第1期第2期を通じて一番日常回が充実しているのがこのエピソードではないでしょうか。

この章でついに、真の主人公が古手梨花だということが明かされます。

この物語が梨花の目線でループしてることが明確になりました。

そして、今まで謎だった雛見沢大災害の正体がおぼろげながら露わになりました。

特に、沙都子が正体不明の敵に追いかけられたり、血が付いたレナの帽子が山中で発見されるなど、大災害自体が作為的だということも示唆されています。

この辺の謎の見せ方は秀逸だと思いました。

この時点ですでに私は原作をすべてプレイ済みでしたが、シナリオも演出もこの後の物語を見せるのに十分な出来だったと思います。

皆殺し編

ずいぶん物騒な名前の章ですね。

もともと、物騒な話の多い作品ではありますが、それにしてもといった感じですね。

この章から、梨花が積極的に運命に抗おうとし始めます。

そんな中、沙都子の叔父の鉄平が雛見沢に帰ってきてしまいます。

虐待されていることが明らかな沙都子に対して、前作の祟殺し編では圭一が鉄平をなぐり殺すという短絡的な手段を使いましたが、今回はみんなで力を合わせて平和的な解決を目指そうとします。

それに伴い、最初は非協力的だった大人たちも圭一たち部活メンバーの情熱にほだされて、次第に力を貸してくれるようになり、最終的には沙都子を救い出すことに成功しました。

これで惨劇を回避したかに思われたのですが、厄醒し編でみた敵が現れます。

ここでようやく、この世界における敵が正体がわかりました。

ここでの最大のポイントは、みんなを信じて力を合わせることで惨劇を回避する可能性があるということです。

これまでの世界ではそれぞれキャラは異なるもののみな疑心暗鬼になった挙句惨劇を引き起こすという共通点がありました。

それがわかりやすく描かれていたと思います。

祭囃し編

ネタバレタグをつけていますがあらすじを述べるのを控えたいと思います。

わたしが、あらすじを書いてしまうと物語が安っぽくなってしまいそうだからです。

さて、この祭囃し編での主人公は鷹野です。

幼少期のころから丁寧に描かれていて、なぜこの雛見沢で惨劇がおこらなければならいかがよくわかるように出来ています。

最後の最後で敗北した鷹野ですが、今までどの世界でも無残に殺し続けた富竹に救われるというのは皮肉としか言いようがありませんね。

見どころは、これまで登場した様々なキャラに見せ場があるということです。

入江や赤坂、富竹などこれまで信じてもらえずに協力を受けられなかったキャラクターはもちろん、大石のように敵対することのほうが大きかったキャラに、葛西のようなそれまでほとんど出番のなかったキャラまでちゃんとピックアップされています。

まさにオールキャストですね。

そして、部活メンバーたちもそれぞれの個性を発揮しながら作戦を実行するさまは最終章にふさわしい素晴らしい展開だったと思います。

総論

この第2期のシナリオはよく出来ていると思いました。

特に敵(鷹野たち)の見せ方が秀逸だと思いました。

原作では皆殺し編で鷹野の正体をあかし、祭囃し編で倒すという展開でしたが、アニメでは厄醒し編で敵の正体をおぼろげながら見せるというオリジナル要素を入れたことでよりストーリーを理解させやすく、後半に向けて期待度を増している演出だったと思います。

その他にも、終盤での山狗とのバトルは原作でも熱い展開でしたが、アニメだとより動きがわかってよかったですね。

とても面白く感じました。

残念だった放送規制

ただ残念だったのは、ある事件の影響を受けて放映を打ち切ったTV局があったということです。

私は直接影響を受けているわけではありませんが、これはとても看過できない由々しき出来事だったと思います。

確かに第1期では、レナが鉈を振り回し殺人を犯すシーンがありましたが、この第2期はそういった描写も抑えられていたと思います。

そんな中、通常通り放送する局が大半でしたが一部の放送局では自粛したのちに打ち切ったようです。

このように対応がバラバラなうえ打ち切りの理由があいまいだということに当時とても憤りを感じました。

確かに、規制されるべき作品もあるのかもしれません。

しかし、ゲームアニメだけが狙い撃ちにされて映画やドラマなどは規制の対象になりづらいという文化はどうにかなりませんかね。

そのことがガッカリです。

この作品は1期2期通じて一部に残酷表現があったことは紛れもない事実です。

しかし、作品のテーマはそこではなく「人を信じて力を合わせる」ことにあるとてもドラマチックな物語です。

ぜひ見る方は1期から通してみてほしい作品です。

最後に

この作品の時の、竜騎士07は神がかっていたように思えます。

本編と言えるこの作品(解)が終了したこの後も、ひぐらしブランドは快進撃を続け、本家ゲームもコンシューマ機に順調に進出。アニメもOVAで番外編が作られるなど、順調に思われましたが…。

次回作で盛大にコケてしまい、悲しい結果になったのは言うまでもありませんね。

ある意味、この作品の出来がキセキだったということでしょうか。

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