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アニメヲススメ

旧作から最新作まで気になったアニメを紹介したり、アニメに関連する話題を中心にしたブログです。

2015アニメ 乱歩奇譚 Game of Laplace 感想~独特の世界観に引き込まれる作品

アニメ-2015夏アニメ アニメ

アニメレビュー第10弾は『乱歩奇譚 Game of Laplace
※この記事はあにこれに投稿したものに加筆修正を施したものです。記事の内容には作品の核心に触れるネタバレの可能性があります。

江戸川乱歩の没後50年に際して企画され、彼の作品群を原案に時代設定を現代にしたオリジナルアニメ。

江戸川乱歩といえばどの学校の書架にも蔵書が入っていた記憶があります。私が初めて彼の作品を読んだのは小学校の時。『幽霊塔』や『三角館の恐怖』といった明智探偵未登場の作品ばかりを好んで読んでいたと記憶しています。今確認したらそれらの作品群は海外作品の翻訳だったと判明。乱歩オリジナルの作品ではなかったんですね。

幽霊塔

幽霊塔

三角館の恐怖 (江戸川乱歩文庫)

三角館の恐怖 (江戸川乱歩文庫)


それらを選んだのは全くの偶然。たぶん表紙絵の感じから選んだのでしょう。今で言うラノベの表紙買いみたいなものですね。
ただ、少年探偵シリーズは背表紙に明言されていたはず。それはきっと意図的に外したんでしょう。今思うに子供心として「少年探偵なんてそんな子供っぽいもの」ぐらいに思ってたのではないか、そんな気がします。

だから、江戸川乱歩に接していても明智探偵の原作には触れておらず、私のイメージの明智探偵はTVドラマや映画に登場するようなちょっとデフォルメされたものです。

メインキャラクターたち

さて、ここからが本題。

アケチ(CV:櫻井孝宏

この作品のアケチは、今までのパブリックイメージとはちょっと違う気がしますね。だいたい、高校生だし。
ただ、缶コーヒー中毒のところとか、人嫌いのところ。住みかに古いビルの謎の構造物を選んでいるところは探偵らしい。明智探偵のイメージからは遠くても、探偵ものテンプレは一応抑えているという感じ。ただ、黒蜥蜴とか影男とかコバヤシとかわりかし、変人とか変態とかには好かれやすいという特技もちではある。
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コバヤシ(CV:高橋李衣)

アケチよりもむしろ興味をそそられたのは主人公の役回りのコバヤシ少年。こちらは元気な少年探偵という元来のイメージよりもかなり中性的(っていうか女性的)な雰囲気をまとっています。キャスティングも、新進気鋭でこのクール「がっこうぐらし」と「それが声優」でメインキャストの一角を占め、ブレイクした感じもある高橋李衣を起用。ボーイッシュな女性と言われてもおかしくない。っていうか、女装シーン多すぎ。違和感ないけど。
こちらは、助手って雰囲気はほとんどないといっていいです。勝手にアケチのもとを訪れて、勝手に事件に巻き込まれていくタイプ。むしろ、思考回路の内容は一歩間違えば犯人のそれに近いのではないかと疑わせる場面も出てきます。そういった時のために、ハシバくんがいるんでしょうね。
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ハシバ(CV:山下大輝)

コバヤシの親友で財閥のお坊ちゃん。正義感が強い、堅物な男です。ちょっとコバヤシ君に惚れちゃっているけど大丈夫か?。いや、コバヤシがこんなにかわいかったら誰でも惚れるか。
そんな彼も結構な重要人物。出てきた当初は、コバヤシ、コバヤシとうるさい奴だなぁ。ぐらいにしか思っていなかったけど、コバヤシが一歩間違わないのは、ハシバの常識力の賜物だということが後半に行くにつれてわかってくる。実際、アケチではコバヤシを救えないんだなぁと思う場面も出てきます。

ナミコシ(CV:福山潤

もう一人終盤に、登場するアケチの親友だった男。彼が物語終盤の展開を引っ張っていくことになります。
ハシバにとってのコバヤシが、アケチにとってのナミコシということになるんだろうなぁ。

あと、サブキャラとして登場回数は多くないもののお気に入りのキャラクターにハナビシ先生がいます。コバヤシとハシバの新しいクラス担任で、テンションが高く見た目も若々しいが32歳らしい。しょっぱなからリスカの傷跡が見えたり、眼帯で登場したり、最終的には包帯を巻いていたりと謎の生傷が絶えない先生。可愛らしいメンヘラBBA
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シナリオについて

シナリオは、前述の3人を中心にあとは警察関係者+事件関係者で、各話に起きた事件を解決するスタイルで進んでいきます。こちらに考える暇を与えてくれないので、金田一やコナンよりも速いペースでサクサクと解決していきます。序盤はそれでも推理物の様相を呈していますが、中盤から終盤にかけてはガラッと物語が変わっていきます。実はここに、この作品の落とし穴が待ち受けていると思います。

江戸川乱歩という名前に、ちょっと猟奇的な事件を扱う探偵推理物というイメージを持っている人が大半。そのうえ、序盤から中盤にかけてはそのイメージを裏切らなかった。しかし、アケチの過去話が明らかになってからガラッと様相が変わる。まあ、要は推理物でなくなり設定は奇抜だが中身が社会派ドラマになってしまうのです。イメージとしては、急に単発の「相棒」を見てたら急に社会派ドラマになることの多い「相棒スペシャル」に切り替わった感じ。(余計わかりにくいか)

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ここら辺はちょっと視聴者が求めているモノと違うのではないかと思うが、どうなんだろう。私としては、3人でなんだかんだ事件を解決するストーリーが良かったから不満なのは事実だが、序盤の方からこの展開に持っていくための伏線はきれいに貼られていたのでこうなるのは必然な気もします。

世界観と演出について

設定では2016年ということだが、現在よりもレトロな空気感があります。敗戦を経験しなかった日本という感じでしょうか。江戸川乱歩の作品ってちょっと西洋かぶれしているイメージがあるので結構しっくりきます。
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演出の最大の特徴は、見ている視点で景色が変わるということ。それは第1話からハッキリ描かれています。だから、今の話は誰の目線で語られるかということをいやおうなしに意識させられます。この点は、特に後半部分に影響を及ぼしている気がしますね。
原作の書かれた時代と、乱歩独特の世界観で猟奇殺人が多く結構エグイ残虐表現も覚悟していたのですが、かなりの工夫をしていましたね。多分1話が一番衝撃的じゃないんですかね。きっとグロ耐性が皆無な人はダメだと思いますが、それを乗り越えれば比較的にマイルドな表現になります。
しかし、耳で聞いた描写を正確に脳内に再現するとやっぱりエグイですね。これは乱歩の世界観を上手く踏襲していると思います。

最後に

私の中では最後まで、見たいものと見せられているモノのギャップが埋まりませんでした。特にラスト近辺のアケチの親友ナミコシのは作り手のメッセージが多分に詰め込まれすぎててちょっとウザかった。それなら、もうちょっと前半からテーマをはっきりとわかる形で示すことが必要なんじゃないかと思いますよ。
と、かなり批判めいたことを言ってきましたが、世界観や序盤の雰囲気は好きでした。だからこそ、私の中ではかなり惜しい作品です。

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