アニメヲススメ

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終物語 第5話 そだちロスト其ノ弐 感想 老倉育の壮絶な過去に何とも言えない気持ちになった

前回は、羽川翼VS忍野扇という、なんでもは知らない女と知っているのは阿良々木先輩だと言ってはばからない女同士のマッチメイク。結末はまさかのおっぱい羽川さんの勝利でした。
詳しくは先週の記事をご覧ください。

ka-rinchaco01.hatenablog.jp

そだちロスト其ノ弐

アバンであっさり解決

前話までの謎だった阿良々木暦の両親が警察官であることを老倉育が知っていた件」については、アバンであっさり解決。小学校時代に老倉育を両親が保護していたことがあったんですね。

至極当たり前な解決策を提案できるあたり羽川さんには探偵スキルが本当に備わっているじゃないですかね。これで、記憶が一晩眠るまでしか持たなかったらもう忘却探偵確定ですねw。って違う作品の話になるところでした。


このパートで気になる点は、暦がこの事実を知って育のことを「幼馴染だった」と言い切ってしまう点。他にも、小学校時代に会っていながら忘れていた件も含めて、人間関係にすごく無頓着というかルーズというか他人にあまり関心のない性格をしているのかもしれません。”友達を作らないのは人間強度が下がるから”って言っちゃう人ですからね。

暦のこういったところが問題を悪化させている側面があると思います。
以前の記事でも

教室内での育と暦のやり取り。これまでも、暦の無神経さが事態を悪化させたことは撫子絡みのエピソードで明らかになっていますが、この一件も暦は無自覚にそのパターンにはまり込んでいきます。

終物語 第2話 そだちリドル其ノ壹 感想 - アニメについて考えるブログ

ガッツリ言及してますね。
今回もさらっと撫子に連絡を取るところとか、なんもわかってねえなぁって思うけど、撫子が蛇神様になるのはこの直後だからそれは仕方がない。

出迎えるパジャマ老倉にウットリ

玄関でパジャマ老倉が出迎えてくれました。全く歓迎されていないし。名前噛みまくりだけど、噛むといえば八九寺の「かみまみた」が聞きたくなりますね。

ガハラさんに殴られたほっぺが痛々しい。と思ったら、育も早速それをネタに脅しをかけてきます。さすが!
暦も吸血鬼パワーの使い方を熟知してたみたいで、血を出した指でほっぺをツンツン。すると、不意打ちを喰らった育もツンツンしちゃいますw
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なんだかんだで、育のほっぺも無事に治り阿良々木も噛まずに言えるようになりました。(よかったね)

まあ、ここまでは軽いジャブの応酬といったところでしょうね。でも、本当にパジャマのままで迎えるとか、ただの育の意地なのか、それとも敵視しながらも阿良々木暦にこの局面を打開してくれる、すごくわずかな可能性でも期待しているのか。私は後者だと思っています。その理由は後程。

老倉育の過去と懺悔

ここから先の展開は感情移入をすると心が持ってかれるので、少し大局から見た感想と考察を少々。
※私は専門家ではないので考察に誤りがある可能性があります。それを考慮してご覧ください。

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育と父親・母親

典型的なDV家庭。父親からはもちろん、母親にも腹いせで殴られるという最悪のパターンといってもいいでしょう。そもそも、育は父親のことを男親と呼んでいます。これは、父親を全く認めていない証左。”おとこ”親と呼んでいることからひょっとしたら性的虐待もあったかも?。

母親のことは、一応ですが母と呼ぶからには父親よりは認めているんでしょう。しかし、離婚後に引きこもったエピソードを聴く限りネグレクトと呼ばれてもおかしくない状態に。育が中学生だったためいろいろ手をつくして生き延びることが出来たものの、離婚がもう少し早くて育が低学年だったらどうしていたんでしょうね。それはそれで、母親としての自覚に目覚め引きこもることはなかったかもしれませんが。
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それにしても育の母親語りはちょっと狂気じみていますね。

お母さんがいなくなっちゃえばいいのにって私が思いませんように

と連呼する姿にそれが現れていると思います。
そんな育の語りですが一貫しているのは自らの気持ちを欺いているということ。先ほど例に挙げた発言や、中学時代の暦との勉強会。いずれも自分の気持ちをごまかしながらなんとか自分の環境を良くしようと努力していたこと。
ただ、そんな努力もあの学級会、鉄条のせいで雲散霧消してしまうのは気の毒というほかありません。

育と暦

それでは、育と暦の関係はどう見ればいいでしょうか。
中学時代の勉強会について育は以下のように告白しています。

馬鹿みたい、馬鹿みたい、馬鹿みたい。私、本当、馬鹿みたい! こんな奴に媚を打ってまで助かろうとした自分が恥ずかしい!私は、ブライドを捨てて、あの時、こんな奴におもねった!べろべろ靴をなめた!気持ち的に!

失敗を取り戻すつもりで、もっとひどい失敗をした。恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい、死にたい!いなくなっちゃいたい

確かに今振り返るとそのような気持ちになってもおかしくはないでしょうね。
その後の告白で小学生時代に保護されていた阿良々木家に対して憎しみの感情を吐露していたわけですが、中学で暦にピンポイントでアプローチをかけているところを見るとそこには羨望だったり期待だったりの感情も渦巻いていたんでしょうね。
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ところが、それが上手くいかない。もっと素直に助けを求めるべきだったと私は思いますがそこは彼女のプライドが邪魔したんでしょうね。

羽川委員長と老倉元委員長

育の母親が失踪した件を最初に疑問に感じたのは羽川さん。あの育の話しぶりから、よくその疑問にたどり着いたものです。唯一冷静だったというわけですね。
最終的には、育からも「母親を見つけてほしい」という言質をとってミッションスタート。きっと来週は羽川探偵が、阿良々木助手を連れて事件の謎に迫るっていう展開を期待できそうです。暦&扇コンビはどっちが探偵役なのかわからなかったけど、翼&暦の場合は役割がはっきりしてますから安心です。

この話では、羽川さんのスペックの高さを見せつけてくれました。コーヒーカップの件とか見事な思考の先回りっぷり。暦に対しても援護射撃とフォローと褒めることを上手にこなします。
育にしてみれば自らも1学年時は委員長という立場だったこともあり、出迎えたときは皮肉を言っていたので意識していたのは間違いないでしょう。

でも、よく考えると育だって結構スペックは高いと思います。最終的な目的は達成しなかったものの、阿良々木暦は勉強会に誘い出すことには成功しているし、福祉担当者との折衝だって母親不在の中対応しているし必要な申請もしている。クラス委員長を務めているときだって率先して学習会を開催するなど率先してリーダーシップとっているところを見るとそんなに悪くないんじゃないかと。
ただ、肝心な場面で決定的なミスをする。(本人も認めているが)この悪癖がなければ、羽川さんほどの委員長にはなれなくても、並以上の委員長にはなれたと思います
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最後に

やはり、育の境遇には同情を禁じ得ないけどもう少しスマートにできなかったのかなと考えてしまう。老倉家での勉強会、悪夢の学級会それぞれ彼女のプライドが邪魔さえしなければ、別の結果が得られていたと思いますよ。暦にしてみれば両方の出来事とも不幸にもただ巻き込まれてしまっただけなのでしょう。
だからと言って暦を無条件にただの被害者だったというのも抵抗感があります。育にしてみれば、今更思い出したからと言って、このどうしようもない状態になってからかかわられようとするのは迷惑この上ないという気持ちになっても仕方がない。要は、軽重の違いはあってもやはり両者に責任があるのは紛れもない事実。

なので最後に、暦が育に語った幸せについての熱い語りは、暦にとっての精一杯の言葉だったんでしょう。事実、羽川さんにも褒めてもらえました。育にとっては素直に受け入れがたいものだったかもしれませんが、少しは気持ちを揺さぶれたはず。ラストシーンで母親探しを正式に依頼することが出来たのはその証だからだと思います。

また、別視点で見ると、解決のための道しるべとして羽川翼が来訪したのだとすれば、おっぱいに惹かれたとはいえ老倉家への同行者として羽川翼を選んだ暦は育に対して初めていいことをしたことになりますね。
むしろ、忍野扇が来ていたらと考えるとゾッとします。家にも上がらしてもらえなかったという公算が強いですが。

来週は老倉母の失踪の謎解き回になると思われます。きっと来週でそだち編は終わってしまうんでしょうね。ラスト老倉を楽しみに待ちたいと思います。