すべてがFになる 第6話 真紅の決意 感想 ~山根さん。あんたその大金どっから持ってきたの?
アニメレビュー第8弾は『すべてがFになる』の続報記事。第6章 真紅の決意 です。
※この先、ネタバレしていますのでご注意ください。
前回は、事件に対する考えの違いから萌絵と創平は仲違いをしてしまいました。それとは別に、15年前の時間軸では四季が新藤の誕生日祝いとして自由になるためのサバイバルナイフを送る。
そこから、どうなったのかかなり気になる一週間でしたね。
ka-rinchaco01.hatenablog.jp
それでは今週もあらすじから見てみましょう。
あらすじ
ふたつの事件の解決を見送り、キャンプに戻った犀川と萌絵だったが、頭の隅では推理をやめることはなかった。二人は研究所に戻り、事件の真相を明らかにすることを決意する。さっそく四季の部屋の再捜査をすると、そこには奇妙な符号が存在することを発見する。
引用:アニメ「すべてがFになるTHE PERFECT INSIDER」公式サイトより
www.f-noitamina.com
今回はこれまでの経緯を萌絵、創平それぞれの視点で再検証したというある意味では総集編的なエピソード。
キャパに余裕がない制作チームだとこれまでのカットをつなぎ合わせてガッツリ総集編を作るのかもしれないけど、そんな水増しエピソードを作らないところに、このチームの意気を感じます。当たり前のことですが。
細かい点はこの後のトピックで検証を。
気になるトピック
萌絵と創平 和解後研究所に戻る
研究所を後にした二人は全く別々な行動をするんですが、結局考えることは事件のことばかり。
しかし、この二人の行動パターンが両極端で面白い。
萌絵は、テントにこもっていたところを、ゼミ生のカレーの匂い作戦につられてあっさり出てきちゃいます。この辺は流石にゼミ生の仲間たちは萌絵をよくわかってらっしゃる。
その後は、ノンアルコールビールでゼミ生にくだをまきながらも事件についてのあらましを語りだします。
対する創平は、浜辺で黙々と海を見ながら事件のことを回想します。創平にとって、いつもいる萌絵は思考の手掛かりになる場合もあれば、ノイズになることもあるでしょう。そう考えると、一人で思いを巡らすのは彼にとって本来の思考方法なのかもしれませんね。
と言いつつも、両者冷静になって考えるとやっぱり事件のことは気になるわけで、特に萌絵には四季博士と直前に面談も行ってますからね。創平にしても、花火シーンで萌絵に指摘されたことで踏ん切りがついたのでしょうけど、実際には一日中浜辺で思考していたわけですから気になってないはずがありません。
結局は、ゼミ合宿のことは助教の国枝さんにお任せして研究所に戻ることになりました。創平に至っては山根さんの申し出を受けてまでですから相当なものです。
ちなみに、助教の国枝さんは犀川准教授に負けないぐらい優秀な人物だとお見受けしました。ストレートな物言いからきっと盛大に誤解される性格をしているのかもしれませんが、犀川の意を汲みながら個性的なゼミ生を上手くまとめていく手腕はなかなかなものだと思いました。
山根さん意外と仕事のできる人?
山根さんがTV会議をしているのを見て「外部と連絡取れるじゃん」って一瞬思ったんですけど、よく考えるとみんなここの研究者なんですね。研究員が山根さん、水谷さん、島田さんの3人しか見えなかったのでそんなに大きな研究所だとは思わなかったんですよね。そう考えると、副所長って案外えらい?。
研究所を守るために、四季博士の死亡の事実をだまっていてほしいと創平を買収工作するもかなりきつく断られてしまいました。
それにしてもあの大金を動かせるなんて流石副所長。と思ったんですが、ATMもないのにあの現金どう工面したんですかね。そもそも、島には現金を使う場所すらないのに。
と思っていたら、
ATMなさそうな研究所に札束が……
— 雨宮まみ (@mamiamamiya) 2015年11月12日
※雨宮まりさんはこの作品の脚本家チームの一人です。
雨宮さんも疑問に感じていたんですねw。
でも、この現金。役に立ってよかったですね。
想定外のことが起きるとちょっとテンパりやすいですが、落ち着きさえすれば不測の事態にも対処できる山根副所長はやっぱりできる人でした。
研究所再捜査 二つの発見
研究所を再捜索することになった萌絵と創平のコンビ。2つの大きな事実を再発見します。
四季の遺体発見時に動くエレベーター
遺体発見時の様子をもう一度確認した時に萌絵が気付いたもの。
確かに動いていますが、これだけデボラが誤作動をしているんだからエレベーターだって動いていてもおかしくはないような気がしますが。
とはいえ、動いたことには何らかの意味はあるかもしれません。動かしたのは誰か?より、なぜ動く必要があったのか?が重要な気がします。
応接室にある15巻までの本たち
応接室の本棚の違和感については創平が最初から指摘したわけですが、今回、改めてその蔵書も15巻までしかないことに気付きました。
15といえば「すべてがFになる」のFも16進数でいうところの15を表す記号。ほかにも、博士が特別視した7は1から15までの数字の中心であるということ。両親殺害事件は15年前に起こっているなど、様々なことを示唆しているように見えます。
作品とは関係なさそうな15にまつわるエピソード
・3×3マスの魔法陣の一列の和は15
・満月は十五夜
・室町も江戸も幕府最後の将軍が第15代
・今話題のラグビーは1チーム15人(7人制じゃないほう)
・相撲は一場所15日間
・尾崎豊の♪盗んだバイクで走り出す~『15の夜』
etc.~
本当に関係なさそうですねw。
ただ、タイトル「すべてがFになる」ということを考えても15という数字は、四季博士が特別視した7と同じくらい重要なキーワードだと思います。この辺は、徐々に明かされることを期待します。
15年前の真実
さて、ついに15年前の真実が明るみに出ました。(視聴者にだけ)
この描写を見る限り、母親を殺害したのは四季に間違いないですが父親の殺害は四季というよりは新藤が殺したといってもいいでしょう。新藤の潜在的な自由への渇望を見透かして四季が行動に出たというのが正しいところか。しかし、四季の人格が誰だったかというのは気になるところですね。
もう一点、先週新藤夫人の証言。決定的に間違っているわけではないですが、この様子をみて新藤を疑わないっていうのも不自然に感じます。確かに、四季が笑ったんで四季の犯行だって思いこんでもおかしくはないですが、新藤が止めに入ったとも思ってはいないでしょう。
そう考えると、夫人の新藤に対する何かが欠けている感じは納得がいくというか、心の底では新藤のことを軽蔑していたのかもしれませんね。
それにしても、最近のアニメには珍しいくらいの残虐表現でしたね。脚本陣もこの話の表現方法(萌絵のアルコールとか)にはコンプライアンスとのせめぎあいで苦労したと語っている通り、相当な暗闘があったのかもしれません。
ただ、この作品はこのぐらいはっきりした表現の方法が作風にもあってると思うし、必要だったと思います。
最後に
ストーリー的にはあまり動かなかったですけど、重要なヒントとなる描写は多かったように思います。
この作品って、こういうメリハリがあっていいですよね。1~2話の動かない感じ、3~4話の事件が立て続けに起こる感じ、そして5~6話の冷静になって推理を展開する感じ。こういうフィーリングは好きです。
予告を見る限り次回は、未来さんが本格参戦するみたいですね。その辺はまたされた感があったので非常に楽しみです。
他のブロガーさんの記事
考察の【最後に】の推理がとても面白かったです。
b9life.hatenablog.com
ちょっと変態チック(褒め言葉です)な感想が他のブロガーと違って、超楽しい。
http://www.arikawashuhei.com/entry/2015/11/13/032240www.arikawashuhei.com
論点の整理の仕方がとても見やすい。すごく参考になる記事です。
hisoka02.hatenablog.com