コメットルシファーを10話まで見て感じたことを書いてみた。
2015秋クールも残すところあと2~3話といったところでしょうか。各作品ともラストスパートに入っていますね。
全体を通した総括記事は年末に書くとして、これまで取り上げてこなかった作品に注目したい。
今回取り上げるのは「コメットルシファー」。
前クールの時にBS11で大量に告知を打たれていた思い出があるこの作品。TRUEさんのあの曲が主題歌なのかと思ったら、ただのイメージソング(劇中にアレンジが使われています)でした。あの曲好きだったんだけどなぁ。
ただ、主題歌としてはfhánaの曲のほうがそれっぽいというか、作風に合っているのでOKです。
さて、この作品。私の中では思った通りに展開してくれないというか、えっ!そっちの展開なの?って思わされることが多い。
全体の流れとしては、地底で偶然出会ったヒロインを主人公が守り抜くという王道ストーリーなんだろうなぁって予測はつくんですが、細かいところに違和感を感じます。
例えば、ヒロインと出会った地底で図らずも一戦交えることになった軍人のガス。私の勝手な印象では戦闘は嫌いじゃないが立派な軍人のイメージだったが、ふたを開けてみれば戦闘狂でロクにリーダーシップの取れないダメ軍人。
こんな感じで敵キャラが総じてクズばっかりw。
ガスの部下のパックは殺人や拷問を楽しむ異常者。あの禿ハッカーはロリコンまっしぐら。
いや、敵キャラがクズでもいいんですよ。最終的にスッキリさせてくれるなら。
でも、この作品は簡単に見ている人をスッキリさせてはくれませんw。
一応、ガスとの戦いは、モウラにソウゴが乗り込むって感じで超パワーを手に入れボコボコにするんで、一応の決着を見たわけですが、次の話で突然前触れもなく出てきた黒モウラに逆にボコられてしまう・・・。
ドモンの件についても、2話をかけて回想シーンを交えながらドモンのことを丁寧に明かしてきたと思ったら、突然迎える最期の時。
ドモンもソウゴを守るための行為とはいえ、行政府の連中をいわれもなく手にかけたのでその報いを受けたのかもしれませんが、それにしても展開が急すぎる。
ヴィーのスパイの件にしても、伏線を張ったかと思うと寝かさず素早く回収していくスタイルは斬新なものに感じられました。
なんとなく自分が勝手に想定していた物語のテンポと微妙に齟齬があるんですよね。
自分の中にリズムみたいなものがあって、この後はこうなってくれるとうれしい。とか、勝手に押し付けていただけなんですけど。
でも、この展開を裏切られる感じ。これはこれで悪くないんです。矛盾しているけど・・・。
確かに、自分の中で作品に対してカタルシスを得られないのはイラッとすることもあるけど、自分のこれまでの思い込みが通じないという体験はそれはそれで貴重なものだと思います。
そんなことを考えてると、以前にもアニメ作品でこんな体験をしたことを思い出した。
それは、昨年の夏のコト。「グラスリップ」っていう作品です。
今思えば、グラスリップはコメットルシファー以上の難敵だった。
コメットルシファーの場合は、ソウゴとフェリア、カオン以外のメンバーの掘り下げが甘いなぁと感じることはあっても、登場人物の気持ちを想像することが出来る(敵キャラはクズだけど)。
だから、テンポに不満があったとしても、ストーリーを追えないということはないし、登場人物の行動も一応は理解できる範疇にある。
しかし、グラスリップはそれすらも拒んできた。登場人物の心境は言葉だけじゃなく画面全体から読み解かなければ辻褄が合わないような気がするし、ストーリーも難解で最後まで訳が分からなかった。
でも、この両作品には「それでもいい」と思わせてしまう何かがある。それは、美しい背景だったり、細かい人物描写だったり。
だから、これからのコメットルシファーには美しい背景画と迫力あるモウラの戦闘、そして、ささやかでもハッピーエンドにしてくれれば言うことないなぁって素直に感じることにしました。
※ここまで言っておいてなんですが、ビターエンドやバットエンドだったらマジ許さないw。
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