2015春アニメ 響け!ユーフォニアム(TVシリーズ第1期)感想
昨日は、劇場版のネタバレ感想をアップしましたが、便乗して以前にあにこれに投稿したTVシリーズの感想を再構成した記事をアップします。
昨年の視聴直後に書いた感想ですので、できるだけその時の想いを活かしつつ、間違っている記述や等の訂正は最小限にするつもりですので、劇場版の記事と整合性のとれていないところがあったら、ご容赦ください。
それではご覧ください。
しびれるシナリオ構成
京アニ作品の音楽系作品ということで「けいおん」を連想しがちですが、全くの別物。いわば、吹奏楽部をテーマにした青春系の部活モノです。
最終話まで視聴完了しました。
まず、なんといってもシナリオの筋がとても素晴らしかったです。久美子の成長というところに中心のスポットを当てつつ、部全体として全国大会に向けて前進していく王道のストーリーはさすがだと思いました。
序盤では、久美子が直接的に関与しない部内のエピソードも、それに対して久美子が思い悩んだりする描写は随所に描かれていました。
葵ちゃんとのエピソードこそ積極的に絡むものの、滝先生の全国大会を目指すかどうかの問いには答えることが出来ず、滝先生への指導に部員が反発し休みになった時も、どうすることもできなかった。
しかし中盤以降は、徐々に久美子自体が能動的に積極的に関与していくことになります。
1話の時点では麗奈の涙の意味がわからなかった久美子が、後半に自分も同じセリフを吐きながら悔し涙を流すシーンは鳥肌ものでしたね。
成長を対比で見せる作品は美しい
主人公や主要メンバーたちの成長を対比で見せる作品というのは美しいと私は思っています。
この作品の主要メンバーというのは、吹奏楽部と言い直してもいいかもしれません。
先ほど挙げたエピソードの他にも、久美子と姉の関係性や、部内の吹奏楽に取り組む姿勢が前半と後半ではまるで違う様子、久美子と秀一と葉月の関係性、そして、最後の結果発表。上げるときりがないぐらい、対比で見せてくれていると思います。
こういった部分は流石だと感服いたしました。
秀逸な主人公久美子の設定
それと、もう一つ。久美子という主人公の設定です。
こういった青春部活動モノの主人公は割といい子ちゃんが多いと思うのですが、この作品は、久美子をどこにでもいそうな普通の子として描くことに成功した点です。
経験者だけど上手さはそれなり。積極性があるわけでもないが、空気を読むことがそこそこうまい。といったキャラクター性は何かの意図をもってしないとなかなか生まれるものではありませんよね。
前述の成長の対比にもつながるのですが、そんな普通でちょっと意地悪な久美子だからこそ、成長の物語として描けたのかもしれませんね。
それを端的に表すエピソードが、部内で全国を目指すかどうかの挙手を求められたとき先輩であり幼馴染の葵ちゃんの件を気にして自分主張をはっきりと表現出来なかったのに、紆余曲折を経て麗奈と香織先輩のソロパートを決める再オーディションでの挙手に現れていると、私は感じました。
他のキャラクターたち
他のキャラクターたちに目を当てると、久美子が成長するヒロインだとすると、麗奈は自分が特別になりたいと思う強い信念を持った、いわば変わらないヒロイン。
ここにも、対比が見られます。
勿論信念は変わらないかもしれないけど、久美子との距離が縮まったのは久美子だけのおかげではなく、麗奈が歩み寄ったからにほかありません。
あと注目して観ていたのはあすか先輩と部長、そして香織先輩の関係性。
随所に見えるあすか先輩の闇w。
劇中の久美子の言葉ではないですけど、あすか先輩の真意を知るためににはよく知らなさすぎる。
逆に、部長と香織先輩はどう部活をまとめていくかを苦心するエピ―ソードが多かったですが、再オーディション直前に香織先輩のもとに部長が激励に来ますが、同時にあすか先輩が来ないことを告げる。このやり取りが3人の関係性と、吹奏楽部へのスタンスを表現していると思います。
この微妙な空気感の描き方は私は好きですよ。
最後に
歴代の京アニ作品と比べても、1,2を争うぐらい私は好きです。あの引きですんで、是非とも2期をやってほしいですね。(売り上げ次第ということでしょうか)
どちらにしても、次の曲を期待してしまう素晴らしい作品だと思います。
あと、劇場版の感想はこちら。
ka-rinchaco01.hatenablog.jp
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